トリマーのお役立ちするかもしれないブログ

トリマーと動物看護師の経験から役に立つ情報をお届けしています!

トリマーにカット内容を伝えるコツ

 

私がトリマーになって

早20数年・・・(゜.゜)ソンナニナルノネ!

 

この業界も時代の変化で

トリミングの頼み方も

変わったんですよ、というお話を

以前、させていただきました。

 

まだ読んでないよ、という方は

こちらからどうぞ↓

 

トリミングの頼み方~訂正版~ - トリマーのお役立ちするかもしれないブログ (hatenablog.com)

 

最近、よくお聞きするお話で

トリミングを頼みにくくなった

とおっしゃる飼い主さんに

出くわすことが増えました。

 

これって、何が原因なのだろう?

 

私なりにその原因と

飼い主さんが出来そうな対処法を

ご紹介していきます!

 

カット内容の伝え方





インスタなどで

様々なカットをしているわんちゃんを

気軽に見ることができる時代。

 

私も拝見しますが

その技術の凄さと

維持が大変なカットが

たくさんあって

ビックリ!\(◎o◎)/!

 

 

飼い主さんが

あの長さの被毛を

保つって

難しいですからね~・・・

 

 

二週間に一度の

グルーミングと

月一でトリミングは

かかせないですね。

 

私の所でも、こまめに

出される飼い主さんも

もちろんいらっしゃいますが

多くのお客様の場合、

だいたい2ヶ月程度で

来店されます。

 

 

その間、飼い主さんが

出来る範囲のお手入れ

わんこが、快適に過ごすこと

できるトリミング。

 

そういうことを考えた上で

伸びてくる間の変化も

楽しめるトリミングのご提案を

私は目指しています♪

 

 

そんな中、先日

トリミングジプシー状態の

初めましてのわんこが来ました。

 

(トリミングジプシーとは、トリミングを頼む際に

決まった所がなく、あちこちのお店に頼んでいる状態です)

 

お電話を受けた際には

 

「連れて行っていたお店が、遠くて大変なので」

 

というお話でした。

 

初めましてのわんこの場合

今までのカットなど

見せていただけると

イメージが掴みやすいので

お気に入りのカットがあれば

その写真を持参していただくように

お話しています。

 

スマホが普及したので

持参もしやすくなりましたしね。

 

それで、その飼い主さんにも

見せていただいたんですが

とっても可愛くカットされてるんですよ♪

 

でも、飼い主さんは

少しご不満な様子

 

ここから、私と飼い主さんの

打ち合わせです。

 

(↓だいぶ、割愛しております)

 

 

飼い主「短くして欲しいんですけど」

 

テイル「これぐらい、体は短い方がいいんですね」

 

飼い主「そうなんですけど・・・」

 

テイル「と言いますと?」

 

飼い主「何かバランスが悪くないですか?」

 

テイル「バランスですか?」

 

飼い主「はい。頭が小さくて、すごくデブに感じるんです」

 

 

そのわんこは、チワワちゃんで

太っているというわけでも

なかったんです。

 

そう思う原因は、というと

元々、そのコの頭の大きさが

小さめなんだと思います。

 

それと、体をスッキリ切るので

顔周りもスッキリ切るというのは

私もよくやります。

 

でも、それだと

飼い主さんから見ると

オールドパーの昔のボトルみたいに

思えるんでしょうね(笑)

(オールドパーとは、昔からある庶民のウイスキーです)

 

 

テイル「じゃあ、お顔を大きめに作ってみましょうか」

 

飼い主「大きめというと?」

 

テイル「耳から顎下にかけて、長めに残して丸く仕上げてみます」

 

飼い主「あぁ、そう切っていただたことがありました。それでお願いします!」

 

テイル「あと、何か気になりますか?尾はどうしましょう?」

 

飼い主「尾は、体に合わせて切って頂いていいんですが」

 

テイル「はい!何でも言ってみてください」

 

飼い主「お胸とお尻がこう・・・ボコボコするのが、いつも気になって」

 

そして、カットした画像を

拡大して見せてくださるのですが

白くてわかりにくい(・。・;

 

でも、毛質を見て

理解できたので

 

「わかりました!できるだけ、キレイに整えてみます」

 

と言って

お預かりいたしました。

 

それで、実際

胸をカットをしてみると

とっても綿毛で

段になりやすい毛質

 

しかも、元々が

カット犬種ではないので

別な部位は、部分的に

毛が硬くて、切りにくい

 

チワワちゃんや

ポメちゃんには

あるあるなんですけどね。

 

 

それで、心が折れそうになりながらも

整えて…整えて…

整えました(~o~)ムズイ~

 

 

最初、お電話で

 

「お店が遠い」

 

とおっしゃっていた

飼い主さんでしたが

実際はカットが

気に入らなかったみたいです。

 

お帰りの際に

 

「トリマーさんが違うと、カットが違うから・・・」

 

とおっしゃっていました。

 

そう思われて

好みに仕上げてくれる

トリマーを探して

ジプシーしていたのでしょうね。

 

 

気に入っていただけたら

次回の来店があると思うので

まだわかりませんが

当日は、可愛くなったと

大変、喜んでいただけたので

とりあえず、良かったです♪

 

問題点



さて、ここで

問題点を考えてみましょう!

 

 

何が問題だったのか?

 

 

最初に、トリマー側の

問題点です。

 

飼い主さんが

 

「短くしてください」

 

と言うと、そこのトリマーさんは

 

「じゃあ、体はバリカン使っていいですか?」

 

というやり取りだったようなのです。

 

「全然いいですけど

 

という飼い主さんの

 

けど

 

という言葉を

スルーしてしまったんですね。

 

 

このやり取りだと

全身バリカンと言って

3ミリ、5ミリ、8ミリなどの

バリカンを使って

全身を刈るという

カットになるかなと思います。

 

でも、できるやり方として

バリカンだけで、短くする

というトリミングだけでは

ありません。

 

例えば、背中はバリカンをかけ

横腹や胸、お尻、脚

ハサミで仕上げる。

 

また、背中とお腹はバリカンをかけ

胸、お尻、脚はハサミで切る

なんてこともあります。

 

 

ただし、その分

料金は、変わってきます

 

 

全身をバリカンで仕上げるのであれば

時間的にも、労力も少なくて済みます。

 

ハサミで仕上げる部分が

多ければ、時間も労力も

かかってきますので

金額も違ってくるというわけです。

 

 

金額を押さえて

短くして欲しいというのでしたら

全身バリカンがオススメです。

 

 

先にお話した飼い主さんは

お尻と胸のカットした際の

ボコボコが気になる

ということでした。

 

実は、胸もお尻も

毛の生えている向きが

あちこちに向いていて

『つむじ』みたいなのが

たくさんあるんです。

 

これをバリカンで刈ると

どうしてもボコボコして

見えてしまうんですよね。

 

トリマー側としては

先に話したような

そういった提案も必要なのでは

ないかな、と私は思います。

 

う~ん・・・

 

なんかね~・・・

 

最近、ずっと思っているんですけど

他のショップでのやり取りを聞いたり

最近の新人さんを見ていると

想像力の欠如を感じるんです。

 

 

短くと言ったら、こう!

 

揃えると言ったら、こう!

 

 

みたいな、頭に

その型があって

それに当てはめてしまう

っていうか。

 

そして、わかったつもりでいる

残念なトリマーさんが

多くなったように感じます。

( ↑ 100%テイルの個人的感想です)

 

飼い主さんができる対処



飼い主さんができる対処としては

思い込みがある

トリマーさんもいる、

ということも踏まえて

 

こう仕上げて欲しいという

参考のカット写真を持参すること。

 

これは、前にも

お話していますね。

 

そして遠慮せず、

時間を取ってもらって

打ち合わせをした方が

良いと思います。

 

具体的に、今まで

飼い主さんとお話したやり取りを

ご紹介しますね。

 

・体は、どうしたいか。

 

例「皮膚が透けて見えない程度に、短くしてほしい」

 

・顔は、どこが気になるか。

 

例「目の前の毛がすぐに伸びてしまうので、目周りは短くして欲しい」

 

例「頭の毛が癖毛で伸びると、立って【鬼の角】みたいに見えるので出来るだけ短くして欲しい」

 

・前にカットしてもらった時に、気になった所。

 

例「お散歩によく行くので、もっと足先を短くして欲しい」

 

例「体は前ぐらいだと、少し短すぎるので、もう少し長めにしてください。脚はこの間ぐらいでいいです」

 

など、具体的に

お話していただけると

カットしやすいです♪

 

冒頭で話したような

モフモフに仕上げる時には

綿密な打ち合わせが必要です。

 

 

でも、2ヶ月に一度などの来店で

短くするわんこだって

いろいろできます♪

 

だから、もっと打ち合わせをして

満足のいくトリミングに

なるといいなと思っています。

 

 

おしまいに

 

先日、初めましてのわんこの

トリミングをお受けしたのですが

3歳の時に、他の家で

飼えなくなったそのコを

保護犬として迎え入れた

という飼い主さん。

 

「こんなに可愛がってもらって、幸せね!」

 

という私に

 

「幸せになったのは、私たち(人間)よ~!」

 

と優しい微笑みで

おっしゃったんです。

 

刺さりました・・・

 

すご~く・・・・

 

こんなに優しさの溢れるコメント。

 

思わず、涙ぐんでしまいました。

 

もう、家に来て

数年、経過していると

お聞きしていたので

すっかり我が子になっているとは

思っていたのですが

そういうコメントが出るなんて!

 

私も保護猫のおばばにゃんこに

幸せにしてもらったなぁ・・・

なんて、ウルウル(笑)

 

 

実は以前は、行き場がなく

仕方なくっていう雰囲気で

保護犬を飼っている飼い主さんが

多かったように思います。

 

 

子犬から飼いたいっていう

子犬から神話が

なくなってきたんだなって

嬉しく思いました。

 

命の重さは

保護犬も一緒。

 

私が嫌いな

不要犬・不要猫

という言葉が

この世から

なくなりますように。。。