トリマーのお役立ちするかもしれないブログ

トリマーと動物看護師の経験から役に立つ情報をお届けしています!

~犬の肛門腺って不思議!編~犬のお手入れってどうすればいいの?

f:id:long-tail2121:20210730135425j:plain

 

皆さま!こんにちは!

飼い主さんの疑問を解消!テイルです♪

 

皆さま、『肛門腺』ってご存知でしょうか?

 

そうです! お尻から

なんとも不可思議なニオイがするアレです(笑)

 

この肛門腺は、中に

肛門嚢という袋状のものがあって

その中に入っているものが

独特な、ニオイを放つのです。

 

実は、トリミングに

連れていらしている飼い主さんから

質問があったので、

今回、肛門腺について

お話することに致しました!

 

というのも

先日、その飼い主さんに

 

「うちの子の肛門腺が、蛍光黄緑みたいな色なんだけど、これって大丈夫ですか?

 

と聞かれたのです。

 

 

そう言われて

気が付いたのですが

肛門腺って、絞らない限りは

飼い主さんが、目にすることって

ほとんどないと思います。

 

 

この飼い主さん、 たまたま愛犬が興奮して

お尻から、飛び出た肛門嚢の中身

目にすることが、あったらしいんです。

 

わんこの肛門腺って

ある程度、溜まっていると

とても興奮した状態になると

中身が、飛び出すことがあるんですよね。

 

 

それで、そのわんこの肛門腺の色が

たまたま白い壁に飛んでだらしく

飼い主さんが、蛍光黄緑色だったことに

気が付いたんですね。

 

 

そして、その話を

お友達にしたところ

そのお友達が、どこかの

サイトで見かけた情報で

 

肛門腺は茶色が普通で、黄緑は膿んでるって書いてあったよ!」

 

と言ったらしいのです。

 

そう言われて

ご連絡いただいた飼い主さん。

 

とても、ご心配なご様子・・・。

 

さてさて、 その真偽は

どうなのでしょうか・・・?

 

肛門腺が黄緑色は正常です! 

f:id:long-tail2121:20210730140048j:plain

(写真はイメージです)

 

結論!!

 

肛門嚢の中身が

蛍光黄緑色のわんこはいます!!!

 

ちなみに、うちの先代のわんこも

蛍光黄緑でしたよ!

 

一生、その色のままで

茶色になることはなかったです。

 

だから、もし

あなたの愛犬が蛍光黄緑色の肛門腺だとしても

病気ではなく、その子のカラー?(笑)なので

安心してくださいね!

 

このお話だけでも

なんだか不思議な物体?液体? ではありますが

肛門腺は様々なタイプがあるのですよ。

 

 

先ほどから

肛門嚢の中身

と、表現していたのは

このタイプが、いろいろだからなのです。

 

 

その肛門腺のタイプは、3つ

 

 

1・液体タイプ

お水のようにサラサラ

絞ると「シューッ」と出ます。

 

2・粘土タイプ

一番、出にくいんですよね。

ニュルニュル」と、出すにも

力がいる感じです。

 

3・粒々タイプ

細かな固まりができていて

出す時も、この粒が「プルプルッ」と

出てくる感じです。

 

粒々タイプは、液体タイプに

この粒々が、混ざってることが

多いかな。

 

そして、その色ですが

基本的には、茶色が多いです。

 

 

でもその茶色も

少し黒かったり、赤みががってたり

することがあります。

 

 

他にも、黄色がかってたりすることもありますし

うちの先代わんこのように、蛍光黄緑色のコもいます。

 

だから、色も

そのコの個性なんだと思います。

 

 

それに、ニオイも

鉄のようなニオイだったり

魚が腐ったようなニオイ、

イカ臭いっていう飼い主さんもいます。

 

この肛門腺、溜まってると

絞ったら勢いが良くて、髪や顔に付いた

なんてことが、よくあります(笑)

 

可愛いけれど

そのおニオイを

ずっと感じるのは

厳しい・・・(笑)

 

でも、ご安心ください♪

 

その時は、わんこ用の

シャンプーとリンスで洗うと

ニオイが、見事に消えます!

 

わんこ用に、ちゃんと

開発されている商品なので

わんこのニオイの消臭効果は

バッチリなんですよ♪♪♪

 

万が一の時は

お試しあれ♪♪♪

 

肛門腺の役割

f:id:long-tail2121:20210730140613j:plain

 

さてさて、こんなに

個性的で興味深い(?)肛門腺(笑)

 

 ところで、そもそも肛門腺って

なんの為にあるのか

ご存知ですか?

 

個性的である理由っていうのも

ちゃんとあるんです。

 

 

その理由の一つ目は、

便を出す時の潤滑油です。

 

 

そして、もう一つは

わんこの名刺です!

 

わんこ同士って

新しく、お友達になる時に

お互いのお尻のニオイ

嗅ぎ合いますよね。

 

わんこたちは、

そのニオイをかいで

どこそこの、だれだれちゃん

って記憶して、理解しているんです。

 

 

ね!人間でいう

名刺でしょ?(笑)

 

 

それに、人間界の名刺も

それぞれに、こだわりがあったりして

色や字体、紙の質が違ったりするでしょ?(笑)

 

 

だから、肛門腺って

個性を感じるんでしょうね♪

 

 

 

 

肛門腺って破裂しちゃうことってあるんです! 

f:id:long-tail2121:20210730141021j:plain

(写真はイメージです)

 

わたしが、動物病院に

勤めていた時に、小型犬を

連れた、飼い主さんがいらっしゃいました。

 

その日は、とても混雑していて

受付後、お待ちいただいてました。

 

少し手が空いたので

待合室の床の清掃を

軽く行っていると

 

その飼い主さんに

話しかけられました。

 

飼い主さん

 

「急に、お尻から出血したんですけど、何だと思います?」

 

わたし

 

「そうですね~・・・。お尻だと肛門腺が、破裂したのかもしれませんね。

定期的に絞ってあげていましたか?

 

飼い主さん

 

「うちの子は8歳だけど、肛門腺なんて生まれたときから絞ったことはない!だから、そんな必要もない!」

 

わたし

 

「そうですか~。では、先生に診ていただきましょうね」

 

その後、診察の結果

 

『肛門腺破裂』でした(笑)

 

でも、このわんこは

8歳まで、肛門腺が

破裂せずにいたから

 

飼い主さん的には

そんなことがあるわけがない!

と思ったのでしょうね。

 

 

でもこれ、意外と

ない話じゃないんですよ。

 

 

というのも

わんこって、肛門腺の質が

急に変わることがあるんですよ。

 

 

先ほど、肛門腺って

タイプがあるって言いましたけど

このタイプが、急に変ることがあるんです。

 

それに、タイプが

混ざることもあります。

 

だから 液体タイプだったのに

粒々が入っていたり、粘土質っぽくなっていたりと

理由はわからないのですが、その時によって

肛門腺の質が変わることがあるんです。

 

 

だから、先ほどの

わんこみたいなことが

起こる場合が、あるんですよね。

 

 

また、逆に

すごく出にくい、粘土質だったのに

少し、柔らかな液体の感じに

変化していることもあるんです。

 

 

ねっ!

 

肛門腺ってなんだか

不思議なものでしょー!!!

 

だから、今まで

絞っていなかったからって

大丈夫ということはないんですよ。

 

そして、肛門腺が

たくさん溜まって

炎症を起こしたり

化膿してしまって

 

お薬の処方が

必要になることもありますし

場合によっては

一針ぐらい、縫うこともあるのです。

 

 

また、それを

あまりに繰り返す場合には

肛門嚢自体を取ってしまう

手術が必要になるのです。

 

 

そんな思いは

させたくないですよね。

(元々が、出にくく溜まりやすい体質のわんこもいますが、その話は後日!)

 

 

定期的な処置で

わんこのお尻を

ケアしてあげてくださいね!

 

今回は、わんこの名刺♪

肛門腺の不思議をお届けしました!